知っ得!!<生前贈与の加算期間が3年から7年へ延長>
2025.11.01
これまで“亡くなった日から3年前までに贈与された財産は相続の対象”というのが常識であった生前贈与。この生前贈与の対象期間が3年から7年に変更され、2024年1月1日以降の贈与から適用が始まりました。今回は生前贈与の変更点について解説いたします。
■生前贈与加算とは
亡くなる前の一定期間の贈与は相続税の課税対象となっており、亡くなる前の贈与であっても相続財産に加算するというルールになっています。
これまで、この亡くなる前の一定期間は「3年」と定められていました。つまり、3年以内に相続があった場合は、その贈与はなかったものとされ、贈与税の非課税枠である年間110万円の部分も含め、相続財産としなければなりません。
なお、この期間内の贈与であっても、贈与税として税金を支払った場合はその贈与分は相続税額から控除されるため、贈与税と相続税の二重課税となる心配はありません。
■加算期間が3年⇒7年へ
昨年の税制改正で、この生前贈与の加算期間が相続開始前3年以内から7年以内に変更されました。
相続開始前3年以内の贈与が加算対象となる点に変更はありませんが、4年以上前の贈与については、その期間の贈与の額から100万円を控除した額が加算の対象となる点に注意しましょう。
■まとめ
今回の税制改正で加算期間が延長したことは、実質的な増税と考えてよいでしょう。これまで簡単でシンプルな相続税対策であった生前贈与ですが、改正によりそうとは言い切れなくなってしまいました。
税制度は内容も複雑で変更点も多くあることから、相続税については税理士に相談して対策をするようにしましょう。