知っ得!!<所有している不動産を一括調査!その新制度とは?>
相続が発生した場合、亡くなった方が所有していた不動産を相続人の名義に変更しなければならないルールになっています。しかし、この相続登記を行うには、亡くなった方が所有していた不動産を全て把握していなければいけません。どのようにすればよいのでしょうか。
■所有不動産を一括調査できる新制度とは
その新制度は『所有不動産記録証明制度(仮称)』といいます。2028年2月にスタートしますが、まだ正式な名称は発表されておりません。
『所有不動産記録証明制度』は、不動産名義人の住所と氏名からその名義人が所有している不動産を一括して調査し、リストで証明する制度です。亡くなった方だけでなく、存命の方や法人の名義でも調査することが可能です。
■現在の調査方法は?
現在でもいくつか調査する方法はありますが、全国的に一括で調査できる方法はありません。また、所有している全ての不動産を、漏れがなく調査できない場合もあり、相続手続きで全ての所有不動産を把握しきれずに、後にやり直すケースもあるのです。
■所有不動産記録証明制度のメリット
新制度には次のようなメリットがあります。
①不動産の存在を知らないまま相続するのを防ぐ
⇒山林などのあまり価値がない不動産の存在を知らないまま、相続することを防ぐことが可能です。また不動産の相続登記漏れを防ぐこともできます。
②相続登記が必要な不動産を漏れなく把握できる
⇒現状、まず名寄帳を請求して調査しますが、この名寄帳は請求した市区町村管轄の不動産しか記載されません。つまり、確実に調査できているかどうかはわからないのです。
新制度は全国的に一括調査ができるので、現在の調査方法より手間がかかりません。
③生前対策にも活用できる
⇒生前対策のひとつである遺言書を作成する場合には、すべての所有不動産を確認し、誰に相続させるかなどを記載する必要があります。所有不動産記録証明制度で取得したリストで、すべての不動産を把握することが第一歩となるでしょう。
■まとめ
この新制度が始まることによって、相続登記に関する不動産の把握がスムーズになり、かつ、調査の負担軽減が期待されています。しかし、新制度が施行されるまでは現行の方法で調査しなければならず、負担や調査漏れの心配は無くなりません。
新制度や相続登記、所有不動産の調査に不安がある場合には、登記の専門家である、司法書士に相談するとよいでしょう。