知っ得!!<家族で相続トラブル 共有名義の落とし穴とは?>
実家の不動産を相続人同士(兄弟や姉妹など)で共有して相続するケースがよくあります。しかし、不動産を共有名義にするとトラブルも起こりやすくなるので注意が必要です。
今回はよく起こるケースを基に解説いたします。
■登場人物と現在の状況
両親が亡くなり実家を相続することになりましたが、別に自宅がある姉A子と弟B男は、実家の不動産を共有名義にすることにしました。その後、実家を賃貸に出し、現在は姉A子とB男でその家賃収入を半分ずつ分けている状況です。しかし、姉のA子がこんな提案をしてきます。
共有している不動産を売却するには、共有者全員の同意が必要ですので、今回のように弟B男が売却に反対している場合は、不動産を売却することはできません。売却か現状維持か、どちらかを説得できれば良いのですが、このままでは相続トラブルに発展する可能性も出てきてしまうでしょう。
■解決方法は?
最も良い解決方法は、弟B男が姉A子の持分を買い取り、弟B男の単独名義に変更する方法でしょう。ただし、弟B男に買い取りできるだけの資金が必要ですので、そう簡単にはいかないかもしれません。
また、不動産を売却し現金化することで遺産を分け合うことも可能ですが、そうなると弟B男の意思とは異なる結果になってしまいます。
■相続するときに気をつけること
不動産を相続するときに、今後のことを考えずに“なんとなく”共有で相続するケースも少なくありません。しかし、なんとなく共有名義にしてしまうと、思わぬトラブルが起きてしまう可能性があります。相続人が複数人いる場合には、被相続人が生前に遺言書を作成して、不動産を相続させる人を1人に決めておくと良いでしょう。
どのように対処すべきかわからない場合は専門家に相談するのもひとつの手です。ぜひ当協会にご相談ください。